オヒア・レフアとは?フラには欠かせないハワイ島の島花

ハワイの大地に赤く咲く、ひときわ印象的な花――それが「オヒア・レフア」です。
ハワイ島の島花にも指定されているこの花は、ただ美しいだけでなく、深い伝説と文化的な意味を持っています。
溶岩台地にしなやかに根を張るたくましさとともに語り継がれる、オヒア・レフアの神話や、後世へ受け継ぐための取り組みもお話しします。
さらに、人気のフラ・アイテムについてもご紹介していきます。
ハワイ島の島花:オヒア・レフアとは?
ハワイ諸島にしか自生しない「オヒア・レフア(ʻŌhiʻa Lehua)」は、ハワイを代表する固有植物のひとつです。
ハワイ島では特に身近な存在であり、かつ、その特別な存在感から「島花(Island Flower)」にも選ばれています。
「オヒア」とはこの木の名前を、「レフア」はその花の名前を指します。火山島の険しい地形や溶岩の上でも根を張り、美しい花を咲かせる姿から、オヒア・レフアは生命力の象徴ともいわれてきました。
標高や土壌の違いによって多様な姿を見せるのも、この植物の魅力のひとつ。木の高さや葉の形もさまざまですが、なかでも人々の心をひきつけるのは、ふわっと丸く咲くレフアの花です。
もっともよく見られるのは鮮やかな赤い花ですが、ほかにも黄色やオレンジ、ピンク、さらにはごくまれに白いレフアが咲くことも。
赤は火の女神ペレとの結びつきを連想させ、特別な色としてフラや儀式にも用いられています。
オヒア・レフアの伝説
ハワイに咲くオヒア・レフアの花には、ひとつの切ない神話が語り継がれています。それは、火の女神ペレと、若者オヒア、そしてその恋人レフアの愛にまつわる物語です。
ペレとオヒア、レフアの愛の神話
ある日、情熱的で気まぐれな女神ペレは、ひとりの美しい青年・オヒアに心を奪われます。ペレは彼に求愛しますが、オヒアにはすでにレフアという最愛の恋人がいました。
ペレに対して誠実に断ったオヒア。しかし、拒まれたことに怒ったペレは、激しい嫉妬の炎でオヒアを一本の木へと変えてしまいます。
レフアは深く嘆き悲しみ、愛する人が木になってしまった姿のそばで、涙に暮れる日々を過ごしました。二人を気の毒に思った他の神々は、レフアをその木に咲く花として変えたのです。
こうして、オヒアの木にはレフアの花が咲くようになりました。ふたりは姿を変えて、いつまでも一緒にいられるようになったのです。
今でも、オヒア・レフアの花を無理に摘んで持ち帰ると、雨が降る――それは、引き離されたふたりの涙だともいわれています。
(※ペレがふたりの命を奪い、後悔して木と花にしたなど、諸説あります)
神話と自然から生まれた神聖な花
ペレに愛されたオヒア、そして彼を想って花となったレフア。ふたりの想いが宿るこの木と花には、神々の力=マナが宿るとも信じられています。
また、荒々しい溶岩台地の上に最初に芽吹くオヒアの姿は、ハワイの人々にとって「再生と繁栄の象徴」。その神秘的な生命力が、自然崇拝と深く結びつきました。
さらに、髪飾りやレイとして身にまとうことで、神聖な力に守られるとされており、フラでは神への祈りを込めた踊りの際に、レフアの花が使われます。
このように、神話・自然・文化が重なり合うことで、オヒア・レフアはハワイにおいて特別な意味を持つ花として、今も大切にされています。
オヒア・レフアを病原菌から守るために
美しさと神聖さをあわせ持つオヒア・レフアですが、いま、その存在が大きな危機にさらされています。その原因は、「ラピッド・オヒア・デス(Rapid ʻŌhiʻa Death)」と呼ばれる、恐ろしい病気です。
「ラピッド・オヒア・デス(Rapid ʻŌhiʻa Death)」について
ラピッド・オヒア・デスとは、主にハワイ島で確認されている病原菌(カビの一種)によるオヒアの枯死現象です。
この病気は、感染から数週間~数ヶ月で木が突然枯れてしまうのが特徴で、「急激な死(Rapid Death)」という名前の通り、症状の進行が非常に速いことから恐れられています。
この病気は、ひとたび広がると森林の生態系全体に影響を与えるため、ハワイの生物多様性や文化の象徴を守るためにも、深刻な問題として位置づけられています。
ハワイ州の保護活動や観光客への注意喚起
ハワイ州や研究機関は、この病気の拡大を防ぐため、さまざまな保護活動を行っています。
・ハイキングなどで訪れる際、土や菌を持ち込まないよう、靴の消毒やブラッシングをして清潔に保つこと
・オヒアの木を傷つけないこと
・伐採した木材を他地域に持ち出さないこと
などが、感染拡大を防ぐために重要とされています。
とくに観光客には、「オヒア・レフアの花を摘まない」「写真で楽しむ」など、自然を尊重する行動が求められています。
このように、一人ひとりの小さな行動が、オヒア・レフアの未来を守る大きな力になるのです。ハワイの自然を訪れる際は、敬意と感謝の気持ちを忘れずに行動したいですね。
オヒア・レフアのフラアイテム
プルメリアやピカケと並んで人気のあるオヒア・フレアのフラアイテム。ヘアクリップとレイをご紹介します。
*オヒアレフア ヘアクリップ レッド

真っ赤なオヒア・フレアの花が3つついたヘアクリップです。大きさは約10cmと、ボリュームがあります。
※他にイエローあり
オヒアレフア ハワイマイレ オープンレイ レッド フラダンス レイ

こちらは、マイレの葉とオヒア・フレアの花を組み合わせたオープン・レイです。フラの時はもちろん、お部屋のインテリアとしても楽しんでいただけます。
※他にイエローあり
まとめ
ハワイ島に根づく、赤く華やかな花――オヒア・レフア。
その美しさの裏には、ペレの神話や火山大地で生き抜く生命力、そしてフラと結びついた深い文化的な意味がありました。
今、この神聖な花は「ラピッド・オヒア・デス」という病から守らなければならない大切な存在となっています。
観光でハワイを訪れる私たちも、オヒア・レフアの背景にある物語や自然の尊さに思いを寄せ、そっと見守るような気持ちを持ちたいものです。
